10:>>1[saga]
2013/03/10(日) 12:56:35.81 ID:DZ1OCmmz0
だが何にしろ、既存の航空戦力はほとんどが落とされた。そしてケストヘイには対空砲の類はさほど設置されていない。
それ故に、こうして自分たちにお鉢が回ってくることになったのだ。
(留守番してろって命令された時は発狂するかと思ったが、まさかこの機体で実戦ができるなんてな)
にやり、とヘルメットの下で笑みを漏らしたその時、通信機の向こうから隊長の声が響いてきた。
『プルート1より各位へ。いいか、敵は腕っこきだ。トムキャットを二対一で落としている。
可変戦闘機ではないようだが、それでも十分に警戒し、全力で墜とせ』
『プルート2、了解。訓練の成果をみせてやりまさぁ』
『プルート3、了解。最新鋭の機体で4機掛かりとは、弱い者いじめみたいですが』
「プルート4、了解です隊長! やってやりましょう!」
『ああ、では交戦を開始する。プルート1、エンゲージ!』
隊長からの号令を受けて、4機は綺麗に散開。真正面から突っ込んでくる深緑の機体を避け、背後に回り込む機動を取る。
当たり前にして大原則だが、戦いは基本的に数の多いほうが有利だ。空でも陸でも海でも、それは変わらない。
格闘技のチャンピオンでも、素人十人に囲まれれば容易く袋叩きにされてしまう。多いというのは、それだけで強い。
だが無論、相手より兵員が多いからと言って常に勝てるというわけでもない。
戦術や装備、あるいは時の運によって、数の差を覆した戦闘というのは存在する。
では、この戦闘を傍から見た場合、どういう予想が立てられるか?
数は先も言った通り。そして統合軍の機体は、4機全てがVF-0A――最新鋭の可変戦闘機である。
可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター)。
それはこれまでの戦闘機の常識を覆す、革新的な機体だった。
単に、変形によってあらゆる状況に対応できるというだけではない。
光速で敵を食い破るレーザー機銃に、戦車の前面装甲並の強度を誇るエネルギー転換装甲。
そういった『未来的』とさえいえるテクノロジーをふんだんに詰め込んだ兵器なのだ。
その有用性は――これは非公式の情報だが――先だっての"マヤン島事件"で証明されている。
なにしろ反統合軍の可変戦闘機であるSV-51に対して、それまでの非可変戦闘機は全く歯が立たなかったのだから。
◇◇◇
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