過去ログ - 京太郎「悪女」
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10: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/03/07(木) 23:30:49.33 ID:IvaGbYZyo
全員が出て行ったところで私は須賀君に向き直った。

「さーって、はじめましょうか」

「うっす!」

「あ、変なことしないでね?」

「だからしませんって!」

私がからかいの言葉を投げると須賀君はムキになったように言い返してくる。
その子供っぽい仕草がやはり私の嗜虐心をくすぐる。

「ひ、酷い。私に魅力がないって言うのね」

「あー、もう、どうしろっていうんですか!」

よよよ、と泣き真似をすると須賀君は困ったようにツッコミを入れてくる。
私は泣き真似をやめて笑った。やはり、この「おもちゃ」で遊ぶのは楽しい。

「ふふふ、じゃあ、始めましょうか。そこに座って。実際に牌を並べながら説明するから」

そう言うと須賀君はムスッとしながら卓に座った。
こういうところも非常に子供っぽくてからかい甲斐がある。
私は棚から適当な牌譜を取り出して須賀君に差し出した。

「はい、これが牌譜ね。ぱっと見た目、どう?」

「……正直、わけわかんないっす。なんかよくわからない記号がありますし」

「ふふ、そうね。将棋の棋譜なんかと比べるとちょっとわかりにくいところがあるから」

ひとつひとつ、指を刺しながら読み方を説明していく。
須賀君は私の指先をじっと見つめながら真剣に頷いていた。
途中で混乱してきたのか、ノートを取り出し、必死にメモを取り始めた。

「ちょっと待ってくださいね! えーっと、東がTで南がN、でも西と北はそのままで……」

慌ててノートに書きなぐっていく須賀君を見て言葉を止める。
見た目は軽そう、ちゃらんぽらんに見えて意外と根は真面目な子であるというのがここ数ヶ月の付き合いでわかっている。
ただ、男の子特有の煩悩の強さもわかっているが。
以前、和の胸を見すぎと突っ込んだときには面白いぐらいに動揺していた。
その時の様子を思い返して思わず軽く笑ってしまう。
すると須賀君が怪訝な顔でこちらを見た。

「部長?」

「いえ、なんでもないわ。続けるわよ」

まぁ、そんな彼の真面目さとある種の単純さは非常に私にとって扱いやすい。
この子が経験者として一定の実力を持っていればな、と思わなくもない。
だが、そんな仮定の話をしても不毛なだけだ。
実力は無くてもこれはこれでいい「おもちゃ」としてよく動いてくれそう、そんな期待があった。



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