11: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/03/07(木) 23:31:51.96 ID:IvaGbYZyo
「な、なんとか」
いろいろといっぺんに言い過ぎたかしら?
須賀君は煮詰まった顔をしながら自分で書いたノートを見つめている。
とは言え、覚えてもらわねば困る。
「じゃあ、これ宿題ね」
私は戸棚から1枚のラベルがないDVDを差し出して須賀君に渡した。
須賀君はきょとんとしながらもそれを受け取る。
「何ですか、これ?」
「えっちなDVDじゃないわよ?」
「そんなこと考えてませんよ!」
本当にリアクションがわかりやすい子だ。
「ふふ、それは昨年の龍門渕が風越を抑えて全国出場を決めた試合のDVDよ」
「えっ?」
「もうすぐ大会だしね。対策のために用意したのよ。で、その中の大将戦、東場で龍門渕が親の局を映像を見ながら牌譜を作ってきて頂戴。4人全員分ね」
「う、うえぇ!?」
「牌譜取りなんて慣れよ慣れ。やって覚えるしかないわ。それに、4人分とは言え、1局だけなら気楽なものでしょ?」
「う……はい」
思わず返事をしてしまったようだ。
彼は押しにも弱い。こういったところも扱いやすさのひとつだ。
「実はこの試合は映像だけじゃなくて牌譜ももうあるからそれで答え合わせしましょう。……明日、ね」
その言葉にぎょっとする様子を見せる須賀君。
私はその反応に満足そうににんまりとわらった。
「つ、つまり今晩中ってことっすか」
「そ、これから帰ったら頑張ってね」
私はそう言いながら彼にウィンクする。
須賀君はがっくりとうな垂れながらも、オーラスだけなら、と自分を励ましていた。
どうやら須賀君は気がついていないようだ。
龍門渕の大将戦、つまり天江衣の試合だ。海底までもつれ込むのは当たり前で怒涛の親連荘が行われている。
1局がかなり長いことに、須賀君は気づいていない。
少々意地が悪すぎるかしら? いやいや、これも須賀君の教育のためなのだ。
そして、ひいては部のため、勝利のためなのだ。
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