過去ログ - 【咲安価】京太郎「……変、身ッ!」 セーラ「変身!」 12クール目【仮面ライダー】
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923:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:24:08.91 ID:3l+rK56D0
とにかくこうして今、一番近い民家に入っている。 玄関の引き戸が開いていた。 きっと鍵をかけ忘れたんだな。 ゆっくりと奥へ進み、居間らしきところに入った。 少し古めのソファーに腰掛けて、ブラウスで額の汗を拭った。

「危ねぇ危ねぇ…」

しばらくすると、ようやく上がっていた息も元に戻ってきた。
以下略



924:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:24:38.06 ID:3l+rK56D0
突然ダダダダッと廊下を走る音がした。 照昌の体がビクッと震えた。 居間から廊下へ出るための入り口の方に目をやった。 照昌は目を見開いた。 誰かが立っている! 逆光のせいでよく見えない。 手を目の上にかざして、目を細めた。

女子にしては短く切り詰めたショートカットの黒髪、セーラー服。 それは大人しく、照昌が一度も口を利いたことがない、川上理映子(女子3番)だった。 その右手には、アイスピックが握られていた。

「いやあぁぁぁ!!」
以下略



925:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:25:24.05 ID:3l+rK56D0
「っくそ…っ!」

照昌は先ほどベルトに差し込んだデリンジャーを抜き、理映子の方に構えた。 しかし、その銃を見た理映子は、くるっと反対側を向いて泣きながら居間から出て行き、民家も出て行った。 その様子を窓から見ながら、照昌はそこに固まっていた。



926:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:25:49.47 ID:3l+rK56D0
ちくしょう、なんなんだあの女は! オレが一体何をしたっていうんだ!? 日ごろ大人しくしてたくせに! こういうときになって牙を剥くんだ、女っていう生き物は! そうか、あの死んだ10人、きっと女が殺したんだ! それも普段大人しいヤツが! だから日生とかだって死んじまったんだ! あいつらも不意を突かれたんだ、そうに決まってる! そうか! オレが死なない方法を見つけた! 女を殺せばいいんだ! 男はいい! 女は恐ろしい生き物だ! 殺さなきゃ!

「覚悟しろ、オレが殺してやる…殺してやる…
 ハハ…アハハッ…アハハハハハ!!」

以下略



927:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:26:22.95 ID:3l+rK56D0
中野尋代(女子13番)は目を開いた。
見慣れた、3年A組の教室。 見渡すと、教室の前方では男子運動部グループの連中が騒いでいる。 何か冗談でも言ったのか、和泉直正(男子1番)が勢多翼(男子8番)に殴られている。周りではそれを取り囲んだ男子が笑っている。

窓際にいるのは皆川玉樹(男子16番)、美祢達也(男子17番)、麻生咲(女子1番)、仙道桜子(女子7番)の4人グループが笑いあっている。 4人ともほのぼのした性格をしているからか、周りの空気が柔らかく映る。


928:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:26:52.23 ID:3l+rK56D0
後ろにある黒板に落書きをして遊んでいるのは尾花哲也(男子3番)、吉井英(男子19番)。 ○×ゲームをしているが、哲也の全勝だ。

教室の真ん中辺りで騒いでいるのは女子の主流派グループだ。 どうせ緑沢風美(女子18番)がお笑いのネタでも喋っているのだろう。

「よ…尋代…?」
以下略



929:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:27:34.20 ID:3l+rK56D0
I=02エリア内にある、相模野原中央公園の総合管理事務所の中で、高橋良太(男子9番)はそこに置いてあった防寒用の毛布に包まっていた。
時計を見ると、午前9時42分。 朝の放送から今までに聞こえた銃声は1回。 マシンガンのようだった。 ということは、少なくともあの放送から1人は死んでいるのだろうか? 1人とは限らない。 それに、刃物で殺された人もいるかもしれない。 もちろん、そんな事あってほしくないけど。
「なぁ、麻保、起きてるかー?」

「うん…起きてるよ…」


930:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:28:05.55 ID:3l+rK56D0
自分の横で毛布に包まっていた津川麻保(女子9番)が弱々しく言った。 高い位置で縛っているポニーテールが、僅かに揺れた。 いつも気が強い麻保だが、さすがにこんな事に巻き込まれてしまったので、幾分気弱になっているようだ。

2人は幼馴染だった。 しかも、委員長同士なので、互いに信頼できた。 さらに出席番号が互いに9番なので、良太と麻保の間に出てくる人はいなかった。 そのためこうやって合流することが出来た。
しかし、良太は生まれて初めてこんなに不安な表情を浮かべる麻保を見た。 バレー部の試合の時だっていつも笑顔だった。 そんな麻保の笑顔が大好きだった。 しかし、麻保の顔にはあのはつらつとした笑顔はまったく浮かばない。 このプログラムは明るい少女の笑顔も奪ってしまったのだ。


931:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:28:50.18 ID:3l+rK56D0
良太はチッと舌打ちし、総合管理事務所の中を見渡した。 奥の部屋には給湯室やトイレ、そして仮眠室があった(毛布を探していたときに散策していた)。 今自分達のいる部屋の壁に事務用の机が5つ並んでいる。 そして部屋の壁には機械がついていた。 これで園内放送などをするのだろう。 しかし、電気が止められているので使えないはずだ。

良太は考えた。 これから自分は何をなすべきなのだろう? もちろん、正義感の強い良太はゲームに乗る気などまったくなかった。 それは麻保も同じだろう。 麻保も正義感の強い女の子だ。 しかし、ただひたすら逃げ回る、というのは嫌だ。 なんとかしてこのゲームを止めさせることはできないだろうか?

「ねぇ、良太?」
以下略



932:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/13(水) 04:29:25.91 ID:3l+rK56D0
2人は考えた。 自分達の手元にあるのは良太の支給武器のおたま(何の変哲もない、調理器具だ)と、麻保の支給武器の双眼鏡だ。 これで何ができるのだろう? 戦いを望まない今、このハズレの支給武器はある意味ありがたいが、ハズレにも程がある。

「良太…あたし達、委員長よね?」

「…そうだな」
以下略



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