269: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2013/03/30(土) 23:20:38.22 ID:91pe1BP80
「……止めておこう」
「え……どうして?」
「何だが、あの2人には嫌な予感がする。それに、早めに3階へ行きたいからね」
「……晶の予想って、あんまり当たらないと思うんだけど?」
「確かに……」
私の予想は結構な確率で見当違いなことが多い反面、麗佳の予想はかなり当たるというジンクスがある。
いや、単純に考察力の差があるだけかもしれないが――
「でも、あの2人と話してたら時間が無駄になるかもしれないし、今回は晶の予想に乗る事にするわね」
「私の予想だって当たる事があるさ……」
「あぁ、ごめんね。別に悪気があって言ったわけじゃないの……」
事実だから、という言葉が裏に隠されていることについては私は敢えて言及しなかった。
麗佳はいつだって現実と向き合おうとするから、私よりもずっと正しい判断を下せるだろう。
私の身体に麗佳の頭脳――
これが組み合わされれば、最強の人間が出来るに違いない――
「ん……どうかした?」
「いや、麗佳は相変わらずだなって思ってさ」
「何よ、それ」
「何でもないよ。……よし、このまま一気に3階へ行こう」
「えぇ――」
私と麗佳が一致団結すれば、このゲームをクリアできる――
そんな根拠のない自信が、私の心から溢れ出していた……。
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