299: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2013/04/01(月) 16:20:13.61 ID:myZS2lXl0
「……いいですよ。でも、そちらからお願いします」
PDAの番号を把握しておくことは条件上必要な事なので、私は提案に乗ることにした。
「分かったわ。優希ちゃんも、良いわよね?」
「うん、良いよ!」
特に渋る表情を見せることなく、陸島と色条はPDAを取り出した――
「それじゃ、私からね。私のPDAは……“A”よ」
Aの解除条件を思い出した直後に、私は少しだけ陸島から距離を置いた。
「でも、私はQを殺害しようだなんて思ってないわ」
「……そうですか。でも、それだと文香さんの首輪は解除されませんよ?」
御剣と同じような事を陸島は言っていた。
今回のゲームは善人が多いのか、それとも……。
「私のことはいいのよ。……私は、できるだけこのゲームで生存者の数を多くしたいと思っているから」
「自分の命より、他人の命、ですか」
「えぇ、そうよ」
「…………」
御剣、陸島と立て続けに他者の命を優先する人物と出会うと、私がおかしいのではないかと錯覚してしまいそうだった。
(いや、私が正しい……)
自分が生き残らなければ何も意味が無い、と私は前回のゲームで嫌と言うほど学んだのだ。
彼らがおかしいのであって、私は至って正常だ――
「私のことは良いとして……次は優希ちゃんの番よ」
「うん! 私のPDAは、“7”だよ!」
7と言えば6時間以降に死者を除く全員との遭遇である。
今回のゲームの中では難易度的には1位2位を争う易しさだろう。
「次は私の番ね。私のPDAはJよ」
麗佳が私に偽装する時間を与えてくれたのか、先に答えてくれた。
しかし、私はその思いを裏切ることになる――
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