832:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/08(月) 07:26:14.36 ID:xpoXGkz10
いつも我儘言って振り回してきたけれど、その恩返しができるのなら、とても嬉しい。
迅には、ずっとずっと助けてもらいっぱなしだったから。
あれは、中等部に進学して最初の、残暑厳しい9月。
お洒落に目覚めて化粧をして髪を染めてスカートを短くして、興味本位で行ってみたら楽しくて入り浸るようになったゲーセンに通って、良いカモに見えるのかゲーセンではたまに金銭を要求されたが全て返り討ちにし、気がついた時にはゲーセン遊びと喧嘩が日課のようになっていて、いつの間にか問題児扱いされていた、そんな頃。
問題児扱いはされていたけれども、バスケットボールは初等部の頃から大好きだったので、部活には真面目に行っていた。
しかし、夏休み終盤の他校との練習試合中に汗で濡れていた床で足を滑らせて転倒し、右足首を捻挫したため、しばらく部活を休んでいた(最初は見学していたのだが、チームメイトのプレーに一喜一憂して地団太踏んでいたら、顧問に「それだと治るものも治らない、治るまでバスケは見るのも禁止」と言われてしまった)。
放課後に教室に残って勉強をする程勉学に熱心ではないし、家に帰っても弟と妹の相手をしなければならず結局暴れることになるので、学校の最寄り駅の近くにあるゲーセンに毎日通った。
ゲームをする時もあれば、人のプレイを見て楽しむ時もあるのだが、その日は駄菓子を取ることができるゲームをしていた。
ソフトキャンディーのタワーを運良く崩せたため、200円でそれ以上の価値の駄菓子を得ることができ、今日はついていると胸躍らせていた。
「ねーねー、そこのお嬢さん、景気良いねー!おにーさんたちに、お金、わけてくれると嬉しいなぁ」
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