885:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 08:01:19.25 ID:868/ISGe0
早稀の後頭部に何かが押し付けられた。
髪を通してチリチリと熱さを感じる、硬い何か――早稀はごくりと唾を飲み込んだ。
あくまで永佳からは目を逸らさなかったのだが、全神経が後頭部に集まっているかのような感覚だ。
「…へぇ…じゃあ、あたしにボコられるのは、アンタなわけ?
言っとくけどさ、イケメンだろうが容赦しないよ…ヒデ」
心地良いテノールボイスの主、春川英隆(男子十四番)こそが、現在早稀の後頭部に銃口を押し付けている犯人だ。
強気なことを口にしてみるものの、早稀の口の中は急激にからからに乾き、汗が頬を伝い、少し油断すれば泣いてしまうのではないかという程に、怖い。
次の瞬間にでも英隆がトリガーを引けば、そこで早稀の人生は終わるのだから。
「早稀から離れろ…ヒデッ!!」
「…迅」
早稀を追ってきた迅が目の前の光景に顔を歪ませながらも、NAAガーディアンの銃口を英隆に向けた。
英隆は先程まで早稀に突き付けていたベレッタM92Fを迅へ向けた。
迅の名を呼んだその声は、僅かに震えていた。
「ちょっとヒデ…迅に傷1つでも付けてみな、顔面ボコじゃ済ませないんだから」
「水田さんこそ、財前から離れなさい」
「とか言って、早稀が財前から離れたら、早稀を撃つ気じゃねぇだろうな?」
互いが互いの様子を窺いながら、動けずにいる。
押し倒した時に銃を手離しているのだが、永佳がいつそれを取りに行くかわからないので警戒を解けない早稀。
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