981:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/06(火) 16:21:58.64 ID:D/J1TKXp0
「10時19分、四方健太郎退場…か」
B=05エリア、プログラム本部のある3号棟の1室は、多くのパソコンが主に壁際に設置され、部屋の中心には四角いテーブルと、それに向かい合わせになるようにソファーが設置されている。
その片方に遠藤勇(担当教官)は腰掛け、束になった資料の1枚にペンを走らせていた。
「総司、誰が殺った?」
遠藤に訊かれた岸田総司(担当補佐)が、傍にあるパソコンの画面に目を遣り、それに向かっていた部下と2,3言会話を交わし、遠藤の方を向いた。
「えーっと…彼ですねぇ。
男子14番の」
「常陸か」
遠藤は再びペンを走らせる。
「へぇ、アイツか、やるじゃねぇの。
教室がパニクってた時に落ち着いてたヤツだろ?」
遠藤の向かいに足を組んで座っていた天方歳三(担当補佐)が顎に手を遣り、楽しそうに笑みを浮かべた。
ふんぞり返って座るその姿は、担当補佐とは思えない。
遠藤はその副官の姿に苦笑する。
今は責任者と副官という立場の違いがあるが、元々近所に住んでいた2人は幼馴染であるので、多少の態度のでかさは構わない。
あまりにでかすぎると周りの部下に影響が出るので、全てを許すわけにはいかないが、これくらいは許容範囲だ。
「天方君」
天方の背後から、おっとりとした声が聞こえた。
遠藤は顔を上げる。
天方も肩越しに、声の主を見ていた。
「あぁ、アンタか、山北さん」
天方が、やや鬱陶しげに名を呼んだ。
遠藤は少し顔を歪める。
天方は彼――山北敬助(やまきた・けいすけ/担当補佐)とはあまり仲が良くない。
気が合わないんだそうだ。
山北は、天方や岸田と同じ担当補佐という立場にいるが、教室内での生徒への説明の時には姿を現していない。
それは、おっとりとしていて非情になりきれない山北を生徒の前に出すことは、プラスには働かないという、天方の判断によった。
それは正しかったと言える。
水上朱里(女子18番)を処刑したことについて、山北はいい顔をしなかった。
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