過去ログ - 勇者「魔王を倒したっていうのに」
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3:1章 魔王[sage saga]
2013/03/13(水) 15:47:25.53 ID:QaVMnnGl0
1章 魔王
―― 荒野の町 酒場 ――
青年「……魔王が倒されたっていうのに、平和にならない。魔物は大人しくなったのにさ」
黒衣の少女「仕方あるまいよ。魔王軍との戦争の傷跡が残っておるんじゃから。貧困や飢えだってまだまだ残っておるんじゃ」
青年「この町だって、まだ人攫いとか強奪が絶えない」
少女「そうは言っても主様。それが人間というもんじゃろう? 他人から物を奪おうと考える貧困の層がいてもなんら可笑しくない」
青年「魔王と呼ばれる者が倒れて、早5ヶ月。季節はすっかり暖かくなったというのに、なんでだろうな」
少女「あーもう! じゃから言っておるじゃろ? 魔王が死んだ程度では犯罪が減るもんじゃないと」
青年「ままならない……。魔物が大人しくなったら、犯罪も減ると思ったのに……」
少女「人間の問題を魔物のせいにするんじゃない。それに加えて、大魔王が蘇っておるんじゃ」
青年「それも5年前にだろ? 誰も知らない所でこっそり大魔王が復活していたなんてな。……魔王とは一体なんだったんだ」
少女「カッカッカ!」
青年「笑い事じゃないぞ!」
少女「分かっておる主様」
青年「その主様ってのは止めてくれ……」
少女「それは無理じゃな。妾の飼い主は主様じゃからの!」
青年「いつ飼い主になったんだよ」
少女「あのとき、妾を助けてくれたときからじゃ」
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