87: ◆EIVbeOiPes[sage saga]
2013/05/05(日) 23:01:17.90 ID:9QaQodL60
ちょうど、電車がやってきた。
線路を背にするような形でしゃがみ込んでいた僕は振り向く。
「……」
少女がにっこりと笑いながら僕を見ていた。
コミュニケーションに欠けている僕は内心、死ぬほど驚きながらも無表情を貫く。
「猫、好きなんですか?」
「あ、ああ」
「わたしもなんです!」
その笑顔は僕にはまぶしすぎた。
「じゃ、僕、電車来たから」
ふと、少女の制服や髪が濡れていることに気がつく。
「あ、あの。その、傘使ってもいいから」
電車に乗り込みながら少女を見ずに僕は早口で言う。
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