過去ログ - 凛「まどか? 聞いたことの無いサーヴァントだわ」 その2
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24: ◆7F1xhg7Fvs[saga]
2013/03/16(土) 01:54:44.59 ID:cjaefXXCo
「鵬法璽か。流石に始まりの御三家だけはある」

臓硯が持ってきたものは、鷲の像。台座の上に立った鷲が、両翼から天秤をぶらさげている。
ενν?μο? αετ?σσφραγ??――。台座に刻まれた文字が、像の内側に法の概念を縛り付ける。
神代の魔導具。最上級のギアススクロールである。

「もともとは雁夜のために用意してやったものなのだがな。アレは契約を果たせなんだ」

「間桐雁夜、か……」

「中途半端に手を出したものだから、中途半端な終わりを迎えることになった。
どうせ手を出すのなら、もっと盛大に壊せばよかろうものを」

「知っていたのか」

「勿論よ。お主には期待しておったというのに」

「……」

言峰の表情の幽かな変化を捉えて、臓硯はその都度笑みを深めていく。
直接見て楽しみ、鵬法璽の金属面に映り込んで歪んだ像を見て二度楽しむ。

「さて、誓約を定めるとしようか。互いの目的の不可侵と、その後の取り決めだけでいいかの?」

「互いの目的を害しない、という消極的な誓いでは、たとえば動くべき時に動かないことで間接的に相手を害することが可能ではないか?」

「並の契約ならそうじゃろうが、鵬法璽ではそうはならん。下手に『互いの目的のために最大限を尽くす』などと言おうものなら
儂らはその目的以外のことを考えられない人形に成り下がりかねん」

「ほう。ならばその認識の差を活かして私を傀儡にしようとは思わなかったのか?」

「なぁに、お主は人であった方が面白いと、そう思っただけのことよ」

背筋にそって、生暖かい水が流れ落ちていくような。
これまでどこまでも無感動だった言峰の心を、切嗣とは別の方向から揺さぶってくる。

魂が、早く手を切れと警鐘を鳴らす。だからこそ、その振動が気になって、言峰はこの場を離れられない。


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