過去ログ - 1~2レスで終わるSSを淡々と書く
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24:2/2[sage saga]
2013/03/15(金) 19:06:51.09 ID:JLyRmb8y0
僕と彼女は秘密基地でいろいろな話をした。
学校のこと、好きな本のこと、恋愛の話。
僕にとって、この廃墟は秘密基地でもあり、僕のかけがえのない城のようだった。
「ねぇ君は好きな人がいるの?」
「えっ…うん、まぁいないかも」
「自分のことなのに、曖昧なんだね」
「僕、よくわかってないんだ。それに、自分じゃわからない感情に左右されるのってなんだか怖い」
「うん。何となくわかる気がする」
「本当に?」
「どうだろう。やっぱりわからないかも」
「…君は好きな男の子とかいるの?」
「うん。まぁいるかも」
「なんだか曖昧だね」
「そうだね」
僕たちの会話は、少しでも叩いたら壊れてしまうような脆くて儚いものだった。
壊れないようにそっと、柔らかく、けれど煙のように実態はなく、いつ消えてしまってもおかしくないと思っていた。
廃墟の城で、僕はそんな関係を続けていた。
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