過去ログ - 1~2レスで終わるSSを淡々と書く
1- 20
3: ◆WoKACJPFC.[sage saga]
2013/03/15(金) 18:10:59.72 ID:JLyRmb8y0

少女「雨、止みましたよ」

猫「うむ。そうだな」

少女「ここは何処なのでしょうか」

猫「私に聞かれても困る」

少女「急に外に出たいというから付き合ってあげたのに、酷い言いぐさですね」

猫「雨の日の散歩だぞ?なかなか趣があってよかったじゃないか」

少女「濡れるのは嫌いではなかったんですか」

猫「熱い水に入るのが嫌なだけだ」

少女「……帰ったらお風呂入りますからね」

猫「……はて、何の話か」

少女「さぁ帰りましょう。もう十分でしょう?」

猫「うむ。少々腹が減ったな。今夜は魚が食べたいぞ」

少女「…昨日も作ったじゃないですか」

猫「むぅ。そうだったか?」


私は彼と(と言っても世間体から見ればそれは猫と呼べる生き物なのであるが)、
昼下がりの雨のなか、ふらりと外の散歩と洒落込んでいるのである。

彼は、私が生まれたと同じくらいに生まれ、私と同じ家で育ち、私と同じ飯を食った。
猫の割に口が上手く、私はいつも喧嘩になると負けてしまう。
妙にプライドが高く、ゆっくりと撫でてやらないと怒る。
私は彼と同じ道を進み、彼も私と同じように寄り添って生きてきた。

雨で濡れた道がやけにキラキラと輝いているので、彼は終始ご機嫌であった。
彼の機嫌のいい日は決まって夕飯に魚料理を要求する。
私はそれほど料理に自信はないのでいつも困ってしまう。

彼は雨の日が好きだ。しかし、私は雨の日が嫌いだ。

私はそのことを口にしない。







<<前のレス[*]次のレス[#]>>
32Res/30.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice