過去ログ - 1~2レスで終わるSSを淡々と書く
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5: ◆WoKACJPFC.[sage saga]
2013/03/15(金) 18:12:29.89 ID:JLyRmb8y0

少女「ねぇ…なんでついてくるの?」

猫「いいではないか。今日は空がやけに焼けているのだ」

少女「…ねぇ。なんで私あなたの声が聞こえると思う?」

猫「私に聞かれても困る。それにお前は私と話すのが嫌なのか」

少女「嫌じゃないけど…みんなと違うから」

猫「気にすることはない。他人と比べても得るものなんてありはしないぞ」

少女「うん。わかった」

猫「…その、手に持っているちくわは私のおやつか?」

少女「ちくわじゃないよ!リコーダー!」

猫「なんだ。ちくわではないのか」

少女「明日テストなんだよねー…」

猫「どれ、1つ私にも食べさせてくれないか」

少女「だからちくわじゃないってば!これは楽器!」

猫「楽器?」

少女「息をふーってはくと音が出るの。見てて」


私は一息をすぅと吸って、リコーダーを鳴らす。
彼は、同じようにすぅと目を閉じてその音を聞いていた。

私はこの音を聞くと、なぜだかいつも悲しい気持ちになってしまう。
それは、お祭りの終了のアナウンスだったり、おいしいものを食べ終わった後のごちそう様によく似ている。
私の大切なリコーダーは、ソの音を出そうとするといつも情けない音が出る。
それが嫌で、何回も何回も練習するのだがやっぱりうまくいかないのだ。

猫「うむ。なんだかラーメンが食べたくなったな」

猫舌の癖に、と私は半ば悪態をつきながらチャルメラを吹いてやった。

やっぱりソが出なかった



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