過去ログ - 1~2レスで終わるSSを淡々と書く
↓ 1- 覧 板 20
7: ◆WoKACJPFC.[sage saga]
2013/03/15(金) 18:14:42.70 ID:JLyRmb8y0
私は、自分が恋愛する姿なんて想像してなかったし、そうなりたいとも思っていなかった
友達から無理矢理押し付けられた少女漫画は、欠伸が出るほどつまらなかった。
私は、自分が恋をする姿が想像できないのだ。
そのせいか、私は友達から恋のキューピット役として信頼されている。
女らしくない私は男友達が多く、広く顔がきく。そのおかげで何組ものカップルを誕生させてきた。
それが一種の社会奉仕のようで、自己満足と分かっていながら引き受けるのだ。
今日も、ある女の子からラブレターを渡してきてほしいと頼まれた。
いまどきラブレターかよ…という心の声は頭の中に押し込めておく。
相手は、1つ上の先輩男子。
彼は、私の隣に住む男の子で、私たちの関係は幼馴染というポジションである。
小さいころからずっと遊んできたので、ほとんど兄妹と思ってくれていい。
私は一人っ子で、彼は3人兄弟の長男で、私は彼の妹や弟たちと一緒に甘えていたのだ。
もう一度言うが、私は自分の恋に対してひどく興味がない。
しかし。
今こうして、背中越しに彼がいるこの状況。
私はいつものように笑って手紙を渡せばよかったのだが、とっさに隠れてしまった。
結局、下駄箱の中に入れるという下手な手段になってしまった。
なぜだか、心臓が張り裂けそうに動き出す。
なぜだか、私は彼が手紙に気付かなければいいと思う。
なぜだか、わっと泣き出してしまいたくなる。
放課後の時間、時間が止まりそうなこの独特の空気にくらくらする。
私はどうやら、恋というものをしているらしい。
32Res/30.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。