過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/16(土) 11:56:21.15 ID:bwJZNukvo

「は、春香」

「聞きたいです」

「どうしたんだ、今日は……」

「……」


今思えば……

聞いておきたかったのかもしれない。


「あれ、兄ちゃん顔が赤くない?」

「だから、照れくさいんだって。……仕事に戻らせてくれ、春香」

「変わるきっかけがあったんですよね?」


それでも私は食い下がる。


「続きはテレビ前のソファでしましょうか」

「そだねー。ピヨちゃん、上の棚にあるまんじゅう食べていいー?」

「どうして知ってるのかな〜?」

「亜美とお宝捜索したんだよーん」


小鳥さんと真美が私の目的に同意して、くつろげる場所へと移動した。


「近所に、知り合いのお姉さんがいたんだ」

「……お姉さんですか」

「俺たち家族が住んでいたのは、団地でな。近所にはたくさんの家族が暮らしていた」

「……」

「俺と歳の近い子たちはその人に面倒を見てもらっていたんだ」


彼は椅子に座って、語り始める。

私も座るように促され、腰を降ろしたけど、手は握ったままだった。


「面倒見がよかったんですね」

「いや……彼女は乱暴でガサツで、女性と呼ぶには難しい人で、
 子ども達と一緒に暴れまわってただけなんだ。だから、面倒見がいいとは違うな」


真面目に答える彼に、話の辻褄が合わなくて少し困惑する。


「兄ちゃんがあっちで話の続きをしてるよ!?」

「ずっと待ってたのにっ!」


「それでも、彼女の周りにはいつも5・6人の子供たちがいた」

「……」

「いつも楽しそうにしてた。一緒に駆け回ったり、悪さをして一緒に怒られたり、一緒に……悲しんだりしてた」

「悲しんだり……?」


一つだけ楽しそうというキーワードから外れている。



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