過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 21:24:04.60 ID:H1WPBXuto
その後ろにいる真美と一緒に。
「兄ちゃん、真美もイザカヤに行くかんね」
「どうしてだ?」
「ピヨちゃんたちとお食事するんでしょ、混ぜてよー」
「子どもが行く所じゃないっ」
「あ、私も行きます!」
「あのな、春香……未成年者は控えてくれないと」
「えっと、私が活動していたのは……もにょもにょ」
「ちょっと、プロデューサー! こんなとこで油売ってないでください! 仕事が片付かないじゃないですか!」
「う……律子だ」
扉の近くで律子さんの声に呼ばれた彼は出口へ向かって歩き出す。
そして、彼の周りが賑わい出す。
「真美ね、ホッケが食べたい!」
「なぜホッケ……?」
「ミキミキとお魚の話になってねー」
「お肴……?」
「醤油をかけて……うん、いいわね。私もホッケを食べよう♪」
真美の希望に小鳥さんが乗った。
「ホッケといったら、知床の羅臼が有名ですよね」
「北海道だよな。行ったことあるのか、律子」
「私じゃなくて雪歩がですよ」
「あぁ……あのロケか……」
みんなが並んで屋上から出て行く。
私はその場から動かずにその姿を黙って見送っていた。
すると、彼は振り返って。
「春香、どうした?」
気にしてくれる。
必ず気付いてくれると期待していた。それが届いて嬉しかった。
走って駆け寄り、
「ずるいですよね、プロデューサーさんって」
と、思わせぶりなことを言っても、
「……そうか」
と、笑うだけで、言葉の真意を探らず、
私のくすぐったい気持ちに気付いたのかどうかも分からなかった。
それを確かめる術はもうない。
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