過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 21:27:35.20 ID:H1WPBXuto
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私は先生の顔を見つめていた。
「春香、どうした?」
「……あの……先生」
「ん?」
「…その……」
「無理に喋らなくていいから、ちゃんとご飯を食べろ。せっかくチョウが作ってくれたカレーだぞ」
「……はい」
「こ、今度、料理を教えてください」
「いいですよ。その代わりに今度、委員長さんが私に勉強を教えてくれるということでどうでしょう」
「お安い御用です」
4人で卓を囲んでご飯をご馳走になっている。
先生とあげはが作った料理を一口ずつ食べていくと、胸に空いた穴が埋まっていくような気がした。
私はとても救われていた。
「先生、旦那さんは遅くなるんですか?」
「もぐもぐ……。あぁ、生徒が来てるって伝えたら時間をつぶしてくるってさ」
「……それはなんだか申し訳ないですね。……私たちは平気ですから、帰ってきてもらってください」
「若い子たちとコミュニケーションが取れないんだろ。放っておいていいよ」
「……」
あげはと委員長がバツの悪そうな顔をしている。
私もなんだか申し訳が立たない気持ちになる。
「そうだ、春香。……授業中にも言ったことだけど」
「……はい」
「ウチの旦那様が、春香と競演した女優さんの大ファンでな。サインを貰ってきて欲しいなぁ、なんて――」
「先生! 春香の立場を考えてくださいよッ!!」
「……わ、悪かったよ」
母親に怒られる子供のように謝る先生。
それは律子さんに怒られる彼のようで……
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