過去ログ - 春香「これからのきみとぼくのうた」
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70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 22:19:12.08 ID:H1WPBXuto
夏休みなんだからお泊りは基本だよね、なんて気楽に考えていたっけ。
「……そうですか、そういうことなら」
「……」
屋上で見た寂しそうな表情は消えていた。
だから、私ではなく――彼女が必要なんだと無意識に感じ取っていた。
「……春香、なにか食べたいものがあったら先に注文しておきますよ、って」
「砂肝っ」
「……砂肝だそうです。……はい、それでは」
「こういう突然の誘いに対応できるのが夏休みの醍醐味なんですよね!」
「春香は家の人に連絡しておかないとダメだぞ」
「あ、そうですね」
私と彼は引き返して歩いていく。
まだまだ一日が終わらないことが嬉しくて、これから5人でたわいのない話が出来るのが楽しみでしょうがなかった。
次の日も、その次の日も、いつかは訪れる私たちの別れがくるまでずっと続くものだと思っていた。
その別れはもっとずっと先にあるものだと信じて疑わなかった。
親に用件を伝えて電話を切ると、彼が何かを考え込んでいた。
「どうしたんですか?」
「……社長にも声をかけたって、小鳥さん言ってたよな?」
「分かりませんっ」
「一応、電話をかけておくか……」
携帯電話を操作している姿をみていると、疑問がわいてきた。
「社長とケンカしているのでは……?」
「ケンカか……まぁ、間違ってはいないけど。……そんな小さいことに拘る人じゃないよ」
口論となった内容が小さなことだと勘違いした私は、この件を気に留めなくしてしまう。
社長も誘って、貴音さんも誘っていた。
私も千早ちゃんを誘ったけれど、断られる。
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