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463: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2013/10/21(月) 04:50:01.68 ID:oZad0GSIo

簪『あ、あ……』

 なす術もなく、2人は“サイリウム・セーバー”による撫で斬りを喰らい沈黙する。
 これで、残るは3人。

 一夏、箒、ラウラである。
 度重なる攻撃を受け、ラウラの“エネルギーシールド”の残量も底をつきかけていた。

 本来であれば“絢爛舞踏”による回復を行いたいが、そのチャンスはもう来ないだろう。
 一夏にとってもこれが最後の補給であることは覚悟ができていた。

一夏『ごめん。みんな、ごめん。俺が弱いばっかりに……』




 ──そうだ一夏。お前は弱い。お前が弱いばかりに皆、落とされた。




箒『……え』

ラウラ『痛ゥ……ん、なっ……』

 “絢爛舞踏”によりエネルギー補給を終えた一夏と箒。
 そんな“弟”に声を発したのは彼の“姉”であった。

千冬『弟の不出来は、姉である私がつけようじゃないか』 

 あんぐりと口を開け、驚愕する表情を作るラウラ。
 目が点になっていた。

 それもそのハズ。
 千冬のいでたちは生身の姿ではなく“IS”を纏っていたからだった。

 “打鉄”ではない。
 正真正銘、現役時代の彼女を支えた愛機。“暮桜”を纏っていた。

千冬『コイツを使うに当って、それなりに無茶をした。おい、この代償は高くつくぞ』

岡部『……』

 くくく。
 と、フルフェイスに覆われた装甲の中で小さく笑う。

 思わず口角があがってしまうほど、気分が高揚していた。

岡部『やはりか、千冬。やはり、貴様が来るのだな』

千冬『おう。どうやら、弟たちの手には余るようだからな』

 “暮桜”の専用武器である“雪片”を高速展開した。
 一夏が振るう“雪片弐型”同様、当たり前に“零落白夜”を纏う事が可能である。

岡部『本気で、行くぞ』

千冬『おう』

 その言葉と同時に背部スラスターから広がる“蝶翼”が姿を消した。
 スラスターが可変し、エネルギー排出口が閉じる。

ラウラ『……スラスターの使用を止めた?』

 “蝶翼”の展開解除は、タイムリープを行わないことの宣言と言えた。
 千冬に対し“やり直し”をしない。

 岡部は千冬に伝わるよう、暗黙の意思表示をしたのだった。

千冬『思い上がっているようだな……』

岡部『試してみろ』

 激突する岡部と千冬。

 “石鍵”と“暮桜”。

 それは正に、2年前をなぞるかのようだった。
 


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