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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/30(土) 02:20:15.54 ID:lh0H71yPo

紅莉栖「いやいや、なんで私服なのよ」

岡部「言っただろう。出かけると」

紅莉栖「説明してよ! 全くわからんだろうが!」

岡部「青森に行く」

紅莉栖「あお……もり?」

 青森。
 そこには自身の父親である中鉢が住む家がある。

 もちろん、現在そこに父親はいない。
 父親の引渡しは24日であるが、それを岡部に告げてはいなかった。

紅莉栖「なんで……?」

岡部「丁度良いと思ってな。約束も果たしていなかったことだ」

紅莉栖「は? 約束……? あっ! えー……あれっ?」

 額に指先をあて混乱する。
 そのような話しをした覚えはあるが、酷く不確かで良くわからなかった。

岡部「覚えていないのなら良い。だが行くぞ。もうチケットは取ってある」

紅莉栖「ちょ──」

岡部「良いから」

 強引に紅莉栖の手を握る。
 そしてそのまま校門を出て、駅へと歩を進めた。

紅莉栖「あっ」

 握られた岡部の手は温かく、紅莉栖の頬は一気に上気した。





 新幹線車内。
 紅莉栖は岡部の隣で冷凍みかんをむいていた。

紅莉栖「……」

岡部「……」

 お金の工面は楽だった。
 専用機持ちであり、世界で2人目の男性適性者である岡部。

 どこの金融機関も大手を振るって大金を貸し付けてくれた。

紅莉栖「はい、みかん。むけたわよ」

岡部「あぁ……」

 口に含むと冷凍みかんは、じんわりと溶けてシャリシャリとした食感を楽しませてくれる。
 紅莉栖は何も尋ねてこなかった。

紅莉栖「えと、今日は23日だからー……」

 言葉尻が濁る。
 指先を弄り、もじもじとしだす。

 チラチラと上目使いで岡部を見上げ、頬はほんのりと染まっていた。
 


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