過去ログ - Steins;Stratos -Refine- V
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[sage]
2013/03/30(土) 02:20:15.54 ID:lh0H71yPo
紅莉栖「いやいや、なんで私服なのよ」
岡部「言っただろう。出かけると」
紅莉栖「説明してよ! 全くわからんだろうが!」
岡部「青森に行く」
紅莉栖「あお……もり?」
青森。
そこには自身の父親である中鉢が住む家がある。
もちろん、現在そこに父親はいない。
父親の引渡しは24日であるが、それを岡部に告げてはいなかった。
紅莉栖「なんで……?」
岡部「丁度良いと思ってな。約束も果たしていなかったことだ」
紅莉栖「は? 約束……? あっ! えー……あれっ?」
額に指先をあて混乱する。
そのような話しをした覚えはあるが、酷く不確かで良くわからなかった。
岡部「覚えていないのなら良い。だが行くぞ。もうチケットは取ってある」
紅莉栖「ちょ──」
岡部「良いから」
強引に紅莉栖の手を握る。
そしてそのまま校門を出て、駅へと歩を進めた。
紅莉栖「あっ」
握られた岡部の手は温かく、紅莉栖の頬は一気に上気した。
◇
新幹線車内。
紅莉栖は岡部の隣で冷凍みかんをむいていた。
紅莉栖「……」
岡部「……」
お金の工面は楽だった。
専用機持ちであり、世界で2人目の男性適性者である岡部。
どこの金融機関も大手を振るって大金を貸し付けてくれた。
紅莉栖「はい、みかん。むけたわよ」
岡部「あぁ……」
口に含むと冷凍みかんは、じんわりと溶けてシャリシャリとした食感を楽しませてくれる。
紅莉栖は何も尋ねてこなかった。
紅莉栖「えと、今日は23日だからー……」
言葉尻が濁る。
指先を弄り、もじもじとしだす。
チラチラと上目使いで岡部を見上げ、頬はほんのりと染まっていた。
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