過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2014/06/01(日) 04:13:53.21 ID:nqwZCJBqo
至近距離で、僕は感情に溢れる宮和を見ていた。
宮和の独白は続く。
僕を見ていない眼をこちらへと向けて、言い訳をするかのように紡ぐ。
宮和「辛くて、苦しくて、悲しくて……和久津さまがいないことが、それほどに生き地獄で」
宮和「ですからわたくしは、考えたのです」
宮和「こちらから和久津さまの傍へと近づけばいいのだと」
宮和「和久津さまが宮だけを見てくれるようにすればいいのだと」
――――ああ、これは駄目だ。
どうしようもないくらいに、理解した。
狂っている。
狂って、狂わされて、狂い尽くしている。
宮和は壊れてしまったのだ。
他でもない、僕が壊してしまったのだ。
中途半端に近づいたから、こうなってしまったのだ。
宮和「――――和久津さま。 お慕い申し上げております」
宮和は僕を押し倒す。
最早僕に抵抗する理由や、拒否する権利はない。
責任というわけでもないけれど。 宮和の劣情を受け止めなければならない義務が僕にはあった。
宮和「例え、和久津さまが男性の方であったとしても」
それは例えではなく、事実として知っているのだろう。
どこでそれを知ったのか、とか。 呪いを踏んだのにどうして僕はまだ生きているのか、とか。
そんな疑問も溢れるけれど、それはもう過ぎたことだ。
この期に及んで、そんなことはそんなことでしかない。
僕らの関係は、もうどうにもならないところまで来てしまったのだから。
宮和「宮は和久津さまのもので、和久津さまは宮のもの、なのですから」
――――もし。
もし、仮に次があるとするのなら。
次は、もっとうまくやろう。
近づきすぎず、宮和の気持ちをあくまで憧れで済ますか。
或いは、僕らの友人関係を確たるものにするか。
僕らが恋仲になる世界だって……もしかしたら、あったのかもしれない。
それら全ての可能性を、僕は揺蕩う海へと解放して。
そして、宮和の全てを受け入れる。
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