過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
1- 20
822:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 00:00:08.86 ID:sHV/DW1fo
るい「おー、ともちん!」

智「こんばんは、るい。 今日も上手だったね」

 僕はそういうと、るいは照れるように頭を掻く。
 見知らぬ人たちに拍手で迎えられるのと、知り合いに面と向かって言われるのは少し違うらしい。

るい「ご飯食べたいご飯! いいところみつけたんだー」

智「そうなんだ?」

 るい程の大食いを僕は知らない。
 ということは、るいのいいところ、というのはつまり安くて量を食べられるということだろう。
 そう考えていた僕の考えは、店を見た瞬間に変わり、同時に納得した。
 『特大大盛りラーメン 制限時間内に食べれたら一万円』。

智「これは、まぁ」

 るいにとっては重要な糧であり、資金源だ。
 しかし、るいの口ぶりでは此処に何回か来たことがあるのだろう。
 他の店ではるいが一度来ると『お断り』の張り紙をするか賞金制自体を取りやめるというのに。
 そんな疑問も、るいが店の引き戸を開けた瞬間に氷解する。

るい「おやじー! いつものー!」

「来やがったな……! 今日こそは払ってもらうぞ……!」

 店内が戦慄する。
 同時に店員全員が忙しそうに動き始めた。
 テーブルを繋げたり、すごい量の面を茹で始めたり。
 おおよそ、勝たせる気などないという程に。
 そんな光景に唖然としていると、るいはなんてことのないように笑顔でいう。

るい「この店ね、あれ頼むと前回食べた量より多くなってるんだよねー」

智「…………」

 僕は心の中で、この店の冥福を祈った。
 るいが此処に来たのが何回目かわからないけれど、喧嘩を売るなんて……


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/639.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice