過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
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名無しNIPPER
[saga]
2015/02/21(土) 01:33:29.05 ID:gF2xKrflo
2月14日。
全世界的にバレンタイン・デーと呼ばれるその日は日本に置いては乙女の告白の日ともされる。
最近は友チョコやらが大勢を占めるだろうし、チョコレートメーカーの策略に嵌っている気がしないでもないけれどそれでも年に一度の大切な日だ。
特に、夜子みたいな恋する女の子にとってはとても大事な。
チン、と電子レンジが音を立てる。
田松市の方の家にもあるけれど、多機能電子レンジは本当に便利だ。米を炊く以外、大抵のことは出来る。
火には火の利点というものがあるし、どちらが優れているかなんてことを論じるつもりはないけれど。
智「夜子、予熱終わったよ」
夜子「あっ、うん。ええと。これを……これに流し込んで……」
チョコレートとバター、そして薄力粉とメレンゲ(卵黄+グラニュー糖)を混ぜた生地を紙で出来た型に恐る恐ると流し込む。
ボウルの底についている生地も全部掬って型に入れるけれどそれでも入った量は三分の一ほどだ。
それを何度も確認した夜子は不安そうな顔で僕の方を見る。
夜子「これ、量少ないけど……大丈夫?」
智「大丈夫だよ。ぱっと見はミルクチョコレートにしかみえないから不安になるけど、焼いたらちゃんと膨らむから」
生地の色は僕の言った通り少しばかり甘そうに見えるミルクチョコレート色で、これを固めればすぐにでも食べられそうなものだ。
実際には生物が混ざってるからちゃんと焼く必要がある。が、そんなだから夜子が勘違いするのも無理はないと思う。
ああ、今更だけれど僕が夜子に教えているのは所謂ガトー・ショコラだ。
少し凝ると面倒な作業もあるのだろうけれど、しかし普通のケーキを作るより簡単だったりする。
普通のケーキといえば生地を作ってからクリームを塗って飾り付けるが、ガトーショコラは最後に粉糖を上からふりかける程度だ。実質生地作りだけといっても過言ではない。
ただチョコレートを溶かして固めただけのものを手作りだというよりはマシだけれど、ほんのちょっと手間がかかってるだけで簡単なことには変わりない。
ケーキ、というだけで惑わされがちだけれど、実際はそんなもの。
作った側も、食べる側も、結構満足できるけれど。
智「レンジは熱くなってるから、触れないように気をつけてね」
夜子「うんっ……しょっ、と」
がこん、と生地を載せた台がちゃんと電子レンジに嵌り、そのまま慎重に押しこむ。
それを確認した僕はレンジの戸を閉め、温度を160℃にして40分でセット。
ぴっ、とスタートの押すと同時にレンジの中がオレンジ色に光り始め、おぉ、と夜子は小さく声をあげた。
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