過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3
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967:名無しNIPPER[saga]
2015/02/21(土) 01:58:49.07 ID:gF2xKrflo
夜子「……まだかな」

智「まだだよ」

 数分も経たない内に、夜子はそわそわし始める。
 確かに初めて作ったケーキだ。気になるのもわかる。
 でも既に賽は振られたし、加熱を途中で止めたらそちらの方が問題だ。

智「大丈夫だよ、僕が保証する。夜子の作ったケーキは絶対に美味しいから」

夜子「でも……もし失敗したら……」

智「その時は、僕が責任もって処分するし、また最初から手伝うから、ね?」

 立ちっぱなしで部屋の中をウロウロする夜子を、僕の座るソファーに呼ぶ。
 夜子は何の警戒も抱かずに僕に呼ばれて、僕の横に座った。
 しかし、このソファーもふかふかだ。僕の家にあるバネが壊れたアレとは大違い。
 ちなみにあの多機能電子レンジも、このソファーも、他の家具類も全部王様がこの部屋を用意してくれた時にはあった。
 僕の過保護もそれなりだと思うけど、我斎の過保護っぷりも中々じゃないだろうか。
 本人にこれを言っても、きっと顔色一つ変えずに理由をあれこれと並べるのだろうけれど。

夜子「……和久津?」

智「ん? どうかした?」

夜子「……別に。でも、今笑ってたから」

智「……そっか」

 我斎は、きっと変わった。
 基本は変わらないし、性格だってどうしようもない。けれど確かに、彼は変わったのだ。
 少なくとも、身近にいる彼女を大事だと自覚する程度には。


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