過去ログ - 凛「おかえり。アーチャー」  アゲハ「ああ、ただいま。マスター」
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521: ◆jXxX9w2lpg[saga]
2013/06/11(火) 23:15:46.37 ID:Oa9qP5ulo

――


「セイバー大丈夫か?」

鬱蒼と茂っている木々の中は太陽の光もほとんど入ってこないため、一体どれだけの時間歩いているのか正確なことは凛たちには分からない。
それでも凛の感覚的には四時間程が経っている頃で、それが正しければ現在は正午過ぎである。

森の中は大木の根っこや石、窪みなど所々にあり普通の道を歩くよりも体力を倍消費する。
それに魔術による罠への注意も疎かにできないので、同様に精神的疲労も重なって、セイバーへの負担は相当のものである。
健全な状態ならこの程度のこと何の問題もないのだが、魔力不足とは余程辛いのだろうと
アゲハはセイバーの身を按じて立ち止まって振り返る。

「す……すみません。大丈夫です」

大丈夫と言うセイバーの声は、途切れ途切れで声量も小さく、およそ大丈夫な人間が出す返事には聞こえない。
顔色は優れずに汗はかいている割に異様に白い。
本当なら一度休憩を入れたいのだが、無駄な時間は避けたいし、何よりセイバー自身が自分のせいで遅れることを良しとはしないだろう。
再びアゲハは歩き始める。

「……ありがとうございます」

「何が?」

「貴方がいなかったら、私はこの剣で、自らマスターを殺してしまうところでした。そして無駄な戦いも……」

起き上がってから、セイバーはどういう態度でアゲハに接すれば良いのか悩んでいた。
敵の罠に陥り、マスターに剣をあげて、アゲハには生死をかけた戦いも行った。
自分の不甲斐なさに、唇を強く噛みしめる。
多大な迷惑をかけ、今も我儘を言って困らしている自分に対して怒りと悔しさがこみ上げる。
この感情をセイバーはずっと持て余していた。



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