過去ログ - 菜々「栄光の設定」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 16:51:47.55 ID:AFo+xz7J0

焦りました。
もうすぐ就職も視野に入れないといけないナナには、遅かったのですから。
アイドルをしたくても、就職のための情報だって集めなければいけない。

就職活動に使うスーツだって、写真だって、履歴書だって、そうです。
企業の合同説明会に出席するための交通費だって、たくさんのお金がかかります。

それに加えてアイドルとしてオーディションに通って、アイドルになる?
…出来るはずが、ありませんでした。ナナの夢が、現実に押しつぶされた瞬間でした。

席を飛び出して、家に帰りました。
今度はただいまも告げることが出来ず、まっすぐ部屋に戻りました。
机に座って、あの自分で書いた、痛々しい妄想ノートを取り出しました。

もう勉強することなんかほとんどない。机は綺麗なまま。
最初の1ページ。こんなアイドルになりたい。そう書いてありました。

ページを進めるごとに、設定はどんどん膨らんでいっていました。
本当に、痛い。どうして、こんなもの書いちゃったんだろ。
けれど。

ここに詰まっていたのは、どこまでも痛々しい設定で。

実現出来るかどうかもわからないほど、途方も無いぐらい無謀な夢で。

それでも、それでも、そこに書かれていたのは。





本当に、自分がなりたいと思っていた、ナナでした。




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