過去ログ - 菜々「栄光の設定」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/17(日) 16:48:33.29 ID:AFo+xz7J0

ページをめくる手が早くなりました。
過去、過去、過去。体験談から語られるのは、みんな同じこと。
あの頃に戻りたい、あの頃からやり直せるなら。
あの頃の人気はどこへ行ってしまったのか。あの頃、あの頃、あの頃は。

あの頃の、輝きは、どこへ行ってしまったんだろう。
こんなはずじゃなかった。私の人生は、こんなはずじゃなかった。
もっともっと輝いて、人の前にたって、そして、そして。

悲痛な叫びでした。
それ以上ページをめくることが出来なくなって、読むことをやめました。
ナナにはめくる勇気がありませんでした。めくる力すら入りませんでした。

現実を、知りました。

みんなが羨んで、望んで、憧れて。そんな職業、アイドル。
街角でスカウトされた友達もいました。
アイドルになれちゃうかも、そんなふうに笑顔で嬉しそうに話していました。

怖くなりました。
成功するひとがいれば、失敗するひとがいる。当然のことなのに。
当然のことなのに、現実を見ようとしなかった自分がいたことが。
そして、何も考えずアイドルの光だけを求めていたことに。

…光があるのなら、必ず影ができるのに。




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