過去ログ - 安価クエスト
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/17(日) 19:50:09.93 ID:X613c9Mc0
どうしよう…!?
何でこんな事になっちゃったんだろう!?
濱中薫(女子14番)は泣きながら校舎を出、一目散に校門を駆け抜けた。
小柄な体ながらも、薫が所属するソフトボール部では誰にも負けない俊足を誇る薫は、20秒足らずで茂みの中に入った。

 

ぱらららっ

 

比較的近い所で、タイプライターのような音が聞こえた。
銃声だろうか?
薫は小さく悲鳴を上げ、その場にしゃがみ込んだ。
ぼろぼろと涙が溢れた。

「もう…やだぁ…っ
 薫、こんな所いたくないよぉ…っ!
 お父さん…お母さぁん…助けてぇ…っ!!」

怖い…怖い…怖い!!

普段はクラス1明るいムードメーカーである薫の姿は、どこにもなかった。
クラスメイトが殺し合わなければならない状況なので、仕方ないが。

怖い…怖い…怖い!!
助けて…誰か…助けて…

佑ちゃん…っ!!

薫の脳裏に先程起こった出来事が蘇る。
首が吹き飛んだ栗原佑(男子7番)の姿が、目に焼きついている。
完全に離れた頭と胴体。
少し前までくっついていた部分から噴き出す血。

「佑…ちゃ…ぁん…っ!」

 

『後輩相手に変な言い掛かりつけてんじゃねーよ、バーカ!!』

中2の初め、よそ見をしていてぶつかってしまった3年生の不良連中に絡まれた時、通りがかった佑が助けてくれた。
全身の至る所に痣を作りながらも、追い払ってくれた。

『女の子の顔殴るなんて、男の風上にも置けねぇヤツらだな!!』

連中の1人に殴られて腫れた薫の頬を見て、佑が怒っていた。
痛かったが、それ以上に嬉しかった。
助けてくれた事が。

『お礼なんていいって、男として当然の事だろ、女の子守るのは!』

傷だらけになりながら、そう笑っていた。
王子様みたい、そう思った。

大好きだった。
男気のある佑が。
小さな子のような元気な笑顔を浮かべる佑が。


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