過去ログ - 千早「ミッドナイト・バスタイム」
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1: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:15:55.78 ID:v5/CpZOv0

 生放送の音楽番組に出演した金曜の夜、私はウキウキしながら家に帰る。
 土曜の朝早くにラジオ局で番組の収録をしなくてはならない春香が、家に泊まっているからだ。

 自分で言うのもどうかとは思うけれど、春香と私は仲が良いほうだと思う。

 ほら、だから今だって。

P「…………千早、大丈夫なのか?」

千早「……大丈夫、です」

 楽屋に置いてあった携帯電話。
 ここ2時間で、不在通知が72件。番組の放送中にも電話がかかってきている。
 もちろん全部、「天海春香」と書いてある。

P「……春香…………この時間、千早は歌ってただろ」

千早「……ふふっ」


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2: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:21:16.86 ID:v5/CpZOv0

P「それじゃ、千早。春香が待ってるだろうから、早く帰らないとな。……送ってくよ」

千早「いえ、迷惑になりますから……事務所までで、構いません」

以下略



3: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:25:18.27 ID:v5/CpZOv0

《三浦あずさのフライデーナイト、今日もお願いします〜》

 車内でプロデューサーがあずささんのラジオを聞くのも、
 私にとって金曜日の行動のひとつ。
以下略



4: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:28:10.65 ID:v5/CpZOv0

P「……あいつ、数えてるのか」

千早「おそらく。……まあ、いいですけれど」

以下略



5: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:35:25.38 ID:v5/CpZOv0

 マンションの近くに車が停まった。
 プロデューサーは『アイドルの家がバレたらヤバいだろ』と言う。

P「じゃあな、気をつけて」
以下略



6: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:40:28.06 ID:v5/CpZOv0

『ちょーっとねー』

千早「……酔ってるみたいね」

以下略



7: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:48:47.01 ID:v5/CpZOv0

 自宅の扉前に着いた。鍵を使って、ゆっくりと開ける。
 電気はついている。

千早「ただいま」
以下略



8: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:54:23.11 ID:v5/CpZOv0

春香「あー、いろいろあってさぁ、やけジュースだよやけジュース!」

 テーブルの上には、からっぽのペットボトルが5、6本も置いてあった。
 ジュースの飲み過ぎと、夜ということもあってテンションが上がっているみたいだ。
以下略



9: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 22:59:24.80 ID:v5/CpZOv0

千早「お風呂……でも、昨日入ってからお湯を抜いていないわよ」

春香「洗ってあるよー」

以下略



10: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:02:28.13 ID:v5/CpZOv0

 2人で入るには、狭すぎるバスタブ。
 だから、1人が入るときにはもう1人が身体を洗う。春香と編み出した入浴法だ。

春香「…………ふぃー」
以下略



11: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:06:46.90 ID:v5/CpZOv0

 お湯が出てきた。身体にかけて、冷たかった身体を温める。

千早「……冷蔵庫の中にジュースなんて無かった」

以下略



12: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:12:03.29 ID:v5/CpZOv0

春香「……じゃあ、ひとりごとってことで」

千早「ええ」

以下略



13: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:16:05.00 ID:v5/CpZOv0

春香「私、ドラマのオーディション受けてたって言ったでしょう?」

千早「ええ」

以下略



14: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:21:58.44 ID:v5/CpZOv0

春香「……それで」

千早「ああなったのね」

以下略



15: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:30:46.52 ID:v5/CpZOv0

千早「そうなの?」

 私は演技がそもそも苦手なので、解らないけれど。
 舞台の主役まで務めた春香が言うのであれば、そうなんだろう。
以下略



16: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:35:13.86 ID:v5/CpZOv0

千早「……言ってくれれば」

春香「言えるわけないよ、私嫌な人間だなーって思ってるのに」

以下略



17: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:38:06.47 ID:v5/CpZOv0

春香「……うぅ」

千早「ねえ、春香」

以下略



18: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:43:26.04 ID:v5/CpZOv0

 春香が浴槽から出るのと同時に、私はお湯につかる。
 シャワーの音を聞きながら、目をつぶった。

春香「千早ちゃん」
以下略



19: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:47:56.28 ID:v5/CpZOv0

 だから、悔しいのだろう。そして、悲しいのだろう。
 実力が足りずに、律子やプロデューサーを悲しませてしまったことが。
 ジュピターに苛立つ自分が嫌になって、それで……。

以下略



20: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:51:30.56 ID:v5/CpZOv0

千早「ええ」

春香「来週とか」

以下略



21: ◆K8xLCj98/Y[saga]
2013/03/17(日) 23:56:49.78 ID:v5/CpZOv0

 身体をスポンジで洗いながら、ぷーと頬を膨らませる春香。
 …………なんだか、クラクラしてきた。

千早「ふー…………のぼせた」
以下略



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