過去ログ - 高垣楓「ホワイトデーのおくりもの」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:48:52.45 ID:VMr1FUOo0

夜道は少しだけ怖かったです。
街の明かりも、月の光だってあったのに。
寂しさという不安感が、怖さを助長させていました。

なんとなく家の近くのコンビニに寄って、少しだけお酒をカゴに詰めて。
家にお酒はある程度あったはずなのに、買ってしまいました。
どうしてだろう。ああ、きっと、この不安を払拭したいから。

お酒は飲んでも飲まれるな。そう言っていたはずなのに。
自己矛盾に悩みながらも、お酒が元の位置に戻ることはありませんでした。

静まり返った夜道の中を、ただビニール袋が立てる音のみが響いていました。
きれいな月。今日は、あの月を見ながらお酒を飲もうかな。
そんな事を考えながら歩いていると、あっという間に家につきました。

ひとりぐらしにしては、少しだけ大きな家のドアを開けて、中へ。
簡素なデザインの1LDK。駅にも近いけど、そこまで家賃は高くない。

通販のカタログを眺めて、悩んで買ったお手頃なガラステーブルに荷物を置いて。
お給料を貯めて買った、少しだけ大きなデジタルテレビの電源を入れて。
ひとり暮らしをするときに家から持ってきた、ひとりがけのシックなソファに腰掛けて。

そして、なんとなく適当に取った缶のプルタブをひきました。




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