過去ログ - 高垣楓「ホワイトデーのおくりもの」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/18(月) 11:39:43.06 ID:VMr1FUOo0
いらっしゃいませ。
一名様で?
いいえ、先に来ているはずなんですが。とだけ伝えて店内を見回す。
楓さん、楓さん。
ほどよくにぎわう店内に俺の声は軽くかき消されてしまう。
それでも彼女は目立つ。ああ、いた。いた、楓さん。遅れてごめんなさい。
店内に入った時には既に日付が変わっていた。
3月15日、0時15分。愛用している腕時計は俺にそう教えてくれた。
本当に、遅れてごめんなさい。
どうして、どうして今日に限って。
すみません。
『…ふふっ』
『どうして?』
『どうして、今日?』
もう、日付は変わってしまいましたよ。
そう言ってほんのりと朱に染まった顔で微笑する。
俺の方を見てはくれずに、寂しそうにグラスの氷を揺らしながら。
彼女はどうして、そんな顔をして笑うのだろう。
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