過去ログ - 傭兵「死ぬだけの簡単なお仕事です……?」
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586:1 ◆smf.0Bn91U[saga]
2013/04/29(月) 00:59:57.72 ID:LQztpkmP0
「……お前は、この城にいる傭兵を連れ戻しに来たんだろ?」


「ああ……」

「……そうか……お前あの時、傭兵の家にまで来て連れ戻そうとしていたヤツの一人か……」


「思い出してもらえて光栄だ」


「あれから三回ほど街か村に移動していたからな。忘れちまってた」


「すぐにこの国から出なかったのは、訪れたボク達が城からの使いと知っていて警戒していたからか?」


「その通り。アイツが城で働いてたのは知ってたからな。となれば、すぐに国を出ようとしたところで、関所に連絡が行っていれば出られないよう足止めされる可能性が大きかったからな」

「だから、大人しく国の中に留まって、年数が過ぎれば出るつもりだった」

「そろそろ忘れられてそうだから出られると思ってたんだがな……まさかこうして、また城に戻ってくることになるとはな」

「そこまでアイツに執着して……何の利益がある?」


「別に、お前はそんなことを聞きたいわけじゃないだろ?」

「ただ傭兵が連れ戻されるほど幸福なのが許されない……そうだろ?」


「はっ……分かってんじゃねぇか」

「それで? 俺に一撃で殺されたお前が、俺に勝てるのか?」


「確かに……このボクが不意打ちをされた。それだけで、お前が相当な実力者なのは裏づけされている」

「だが、それでもお前に、ボクの実力が証明されていないのが、ボクは納得できていない」

「ボクをザコだと思っている評価を上げてもらう」

「そのための戦いだ。これは」


「へっ……だからこその一対一、か」


「そういうことだ」


 そう言ってボクは、剣を抜く。

 身の丈に合っていない、国の正式採用剣・長剣型を。


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