過去ログ - 傭兵「死ぬだけの簡単なお仕事です……?」
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588:1 ◆smf.0Bn91U[saga]
2013/04/29(月) 01:04:44.07 ID:LQztpkmP0
 大振りの振り上げる一撃。

 そのバレバレの攻撃は当然とばかりに躱される。


 がら空きになった腹に向けて斬撃。


 それでこの戦いは終わり。


 ……素人なら、そう思って攻撃してきたことだろう。


 だが相手はその隙を衝いてくることなく、こちらに向けて牽制の素早い攻撃をしてくるだけ。


 その攻撃を、攻撃後の隙を物ともしない動きでボクも躱す。


 両者共に、あえて隙を見せた攻撃を行い、相手を誘い込みながらも、互いにその誘いには乗らず、ただただ牽制の攻撃を繰り返す。


 互いに一撃も当てることが出来ず、全ての攻撃を躱し続けていく。

 刃を刃で受け止めることもせず、避けて躱して攻撃に転じての攻守逆転ばかり。


 ……やはり強い。ここまでボクの動きについてきた人は初めてだ。


 左腕が使えないことは姫さんから聞いている。

 だからこの男の攻撃は全て、右手一本で握られた武器から放たれている。


 評価すべきは、左腕が動かないというハンデを物ともしないその動き方。

 後天的に左腕が動かなくなった人間とは思えないほどの滑らかさだ。

 ……血の滲むような特訓をしてきたのだろう。

 もちろん、持ち前のセンスもあるに違いない。

 もし両腕が使えたとしたら、武器による戦いでは負けていたかもしれない。


 そんなことを考えてしまうほど、相手は強かった。


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