過去ログ - 傭兵「死ぬだけの簡単なお仕事です……?」
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593:1 ◆smf.0Bn91U[saga]
2013/04/29(月) 01:22:46.56 ID:LQztpkmP0
 たぶん、魔法を使うのにダメージを受けない身体だったなら、目測よりも武器の射程を長くして、相手を翻弄する戦いをしたのだろう。

 その使い方こそ、あの魔法の正しい使い方だったに違いない。


 それが出来ないのに、ボクをここまで追い詰めるほどの強さ……。


 ……つくづく、その強さに感服する。


 だからこそこちらも、本来出来る自分の戦い方を見せてやりたかった。

 ……負けず嫌いなんだ。ボクは。

 だから……例え五体満足だったとしてもボクには敵わない――最悪互角だったと、思わせてやりたい。


「はああぁぁぁぁぁーーーーー……!」


 気合を入れ、痛みを気合で誤魔化し、イタイイタイと訴える情け無い自分を殺しながら、走り、相手との間合いを詰める。


 武器を手放し空手にし、残った右手を天に掲げ、大地を踏み締める一歩一歩で魔法を発動させていく。


 相手に近付けば近付くほど、相手は追い込まれていく。


 地面から生えてくるように、背中に、左手側に、右手側に、天に、地面に……次々と鉄の板が現れていく。

 そうして相手を閉じ込めてからは、こちらとあちらの一本道を作るように、壁を作り上げていく。


 そう……鉄の板を生み出して、細い路地を作り上げていくような形。



 これでもう……逃げることは敵わない。



 そうして追い詰められながら、フラフラとしながらも何とか抵抗しようとしている男の心臓目掛けて、ボクは最後の踏み込みをする前に生み出した槍を手にし、突き刺――




















 ――さずに、寸でて止めていた。


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