過去ログ - 傭兵「死ぬだけの簡単なお仕事です……?」
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75:1 ◆smf.0Bn91U[saga]
2013/03/23(土) 00:50:16.11 ID:tj58TBUr0
 魔法とは、大地の力を天へと届かせる際に発生するもの。

 大地のエネルギーを天へと放出する際に発生する余波エネルギー。
 それこそが魔力の正体だ。

 
 だからこそあの『倉庫の中(けっとうじょう)』では使えなかった。
 こうした屋外でしか、魔法は使えないのだ。



 ダァン! と響く足音と共に、その踏み締めた箇所から円形に、泥沼のような水溜りが広範囲に出来上がる。

 その範囲は俺の周囲からこの訓練場の果てまで。
 これで高速に動くあの子の足を、確実に遅くできる。
 戦場が広くなったからと不利になることもなくなる。


 これが俺の第一の狙い。
 そう、第一だ。当然これだけで勝てるとは思っていない。
 これはあくまでも、昨日まで戦っていた場所とイーブンにするための手段でしかない。

 広さは素早い向こうが有利だろう。
 だが足を捕らわれるこの場所は不利になるだろう。

 そうすることで一対にしようという考えだ。


 だから、次の手を打つ。プラスマイナスゼロで終わらせないための手を。

 俺は目の前を通り過ぎ、重力に導かれ泥沼へと落ちる剣をそのまま見送り、次の魔法を発動するためにしゃがみ込む。


 先ほどのように、足で魔法を発動させることは出来る。
 が、一番良いのはやはり手で触れること。

 広範囲に大雑把に効果を及ぼすことしか、足では出来ない。
 細やかな指示を送るのは、やはり直接地面に手を触れさせ、天高くと手を掲げるのが一番だ。


 ……俺の属性は水だ。
 属性とは、その人が使える魔法の系統。

 天へと打ち上げた際の余波エネルギーは、この属性へと姿を変える。
 そして人は、この属性のみを自由に操れる。
 それこそが魔法だ。

 伝承に残る勇者は複数の属性を使いこなせ、さらには勇者限定の属性まで使っていたようだが、俺のような一般人は基本五属性のうち一つだけが当たり前となる。

 しかし、こんなものは応用でどうとでもなる。
 水しか製造・操作できないからといって、勝てないことにはならない。


 俺は自らの周囲に水の触手を五本生み出し、自らの左右に一本ずつと、背後に三本配置した。


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