過去ログ - 勇者「王様が魔王との戦争の準備をしている?」 2スレ目
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15: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/20(水) 01:48:22.93 ID:3mmpyc380

 ……要は、わしとクレイアがくたばらなければいいだけの話。
 我慢の先にある勝利が、微かにだが、見えてきたではないか。

ハーバンマーン「ジャライバ、メラゾーマの連打だ! 少しでも削るぞ!」

ジャライバ「俺に指図をするな! グローテ様の思念は、こちらにも届いている!」

 火炎弾が飛んだ。まるで流星群のように輝き、偽りの空を染め上げるそれは、確かにまっすぐ九尾へと向かっていく。
 あわせて歩兵団も突撃。メラゾーマの被害を気にすることなく、恐れも無理やり踏みつけて前へ、前へと。

 障壁を張る魔力も惜しいとばかりに、九尾は数多の火球を拳で打ち砕き、残った片腕で兵士たちの相手をする。無論それまで通りとはいかない。さすがに身体強化の呪文もその効果が薄れてきたようだ。動きが眼に見えて鈍い。
 そして、歴戦の強者たちは、その鈍さを見逃さない。

 あくまで戦争。狡賢く利用する。

ポルパ「ビュウ! 生きてるか!」

ビュウ「おうとも、相棒!」

 至近距離にいた二人は、運よくマダンテからの致命傷を逃れることができた。とはいえその体はぼろぼろで、剣も根元から折れ曲がっている。
 しかし武器だけはごまんとある。彼らの足元には仲間の死体が転がっているのだ。
 それを手に取り、走る。



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