過去ログ - 勇者「王様が魔王との戦争の準備をしている?」 2スレ目
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37: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:35:31.57 ID:+NAXhYMi0

魔法使い「あぁ、悪いねぇ、戦士。はは、研究ばっかりしているこの身には、ちょっとばかりきつかったかな」

戦士「ばか! お前、熱あるじゃねぇか!」

以下略



38: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:37:15.21 ID:+NAXhYMi0

戦士「……一人で大丈夫か」

盗賊「なに、逃げ足の速さには自信があるさ。それに、お前らには恩がある。黴臭い牢屋から出してもらった礼だと思ってくれ」

以下略



39: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:38:34.96 ID:+NAXhYMi0

 そうするうちに盗賊が返ってきた。想像以上に早い戻りだ……そう思ってみると、彼の腕には薪が抱えられていない。どういうことだ?

戦士「何があった」

以下略



40: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:39:31.61 ID:+NAXhYMi0

盗賊「どうする。リーダーはお前だ。おれはお前に従うだけさ」

 魔法使いと僧侶をうかがった。彼女らはこちらの話が聞こえていないのか、うつらうつらとしている。やはりだいぶ疲労が蓄積しているのだろう。
 次の朝日を拝めないかもしれないのはわかっていた。盗賊の言うことはもっともだ。
以下略



41: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:41:37.74 ID:+NAXhYMi0

 扉の向こうから聞こえていた会話がピタリと止まった。そのまま数秒の沈黙を挟んで、扉がぎしりと、蝶番を軋ませながら開く。
 男だった。目つきの悪い、表情の暗い、厭世的な雰囲気の。年齢は二十代の半ばか? それにしては身のこなしが只者ではないように思えて、実年齢の把握が困難だ。
 粗末な服を着て、男はこちらを値踏みするように眺めまわす。

以下略



42: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:44:36.39 ID:+NAXhYMi0

戦士「本当ですか! えぇ、えぇ、全然かまいません!」

 まさか、だった。鬼婆なのか? いや、超人的な雰囲気はあるが、魔族でも魔物でもないと、俺の直感が言っている。

以下略



43: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:47:43.55 ID:+NAXhYMi0

男「二階に行ってくれ。二部屋あるが、手前の部屋だ。奥の部屋は……娘、たちの部屋だから、入らないでほしい」

戦士「娘」

以下略



44: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 14:51:50.32 ID:+NAXhYMi0

 娘?

 思わず首を振りかけた。この似ても似つかない、寧ろ鏡映しのように対照的な姉妹が、そして父親とも似ていない娘が、果たして真っ当な家族であるわけがない。そもそも年齢の計算も合わない。
 だが、そうだ、詮索はしないのだ。旅先で出会った人々に必要以上に入れ込みすぎる必要はない。俺だってわかっている。
以下略



45: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 15:00:52.13 ID:+NAXhYMi0

 二階、手前の部屋。そこは確かに男の言うとおりろくな部屋ではなかった。せまいし、汚いし、じめっとしている。虫も出そうだ。いや、これは出るな。
 文句は言えないし、言うつもりもない。横になれるだけでどれだけ幸せなことか!

 部屋についてラグを敷き、そこへ魔法使いと僧侶を寝かせてやる。二人はすやすやと寝息を立てていたが、時折痛みに顔を顰めていた。
以下略



46: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 15:01:42.11 ID:+NAXhYMi0

盗賊「世界は変わった。システムも変わった。軍隊に任せて世界が平和になるのを待つなんて時代じゃ、もうねぇんだよ」

盗賊「それに、そういうタイプでも、あいつらはないしな」

以下略



47: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/28(木) 15:03:54.27 ID:+NAXhYMi0

 ならば、その根源たる魔王はどうするのか。専守防衛だけではジリ貧。
 ……そのために、冒険者がいる。

 何も魔王を倒すことが目的である必要はない。未開地の開拓、魔物の討伐、移住地の確保、冒険者に課せられた役割と期待は様々だ。
以下略



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