過去ログ - ボク「甘くて苦くて不思議なチョコレート」
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14:1 ◆H97.geL.RM[saga sage]
2013/03/21(木) 01:15:23.25 ID:1/uCtKPfo
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幼馴染「寒いね」

ボク「うん」

 ボクがチョコレートを食べている間、彼女はボクにもたれかかってきた。少し驚いたけどもチョコレートをかじり続ける。この距離感が、いつもココロを揺らしてきた。近くて遠くて微妙なボクら。そんなボクらをこうやって繋げたり、離したり、揺さぶる『バレンタインデー』。結局、苦いだけじゃないか。

ボク「あぁ、そうだ」

 唐突に思い出す。今日はバレンタインデーだったんだと。自分も彼女に渡すチョコを作ってきたんだった。
 鞄から地味な包装のチョコを取り出す。彼女の手前、そこまで気合を入れたわけでもない。ただ、渡せれば良い、そんな彼女の勇気とはかけ離れた気持ちのチョコだ。

ボク「これ、作ってきたんだ」

 そういって差し出す。少し、怖い。

幼馴染「もしかして、本命とか?」

 彼女がそう茶化して言う、もちろん彼女はそんな気で言っているわけでもない。笑いながら、当たり障りの無い友人同士の会話のように言った。だからボクも。

ボク「うん、本命だよ!」

 笑いながら渡した。一足早いホワイトデーだと思ってくれればいいかな、なんて都合良い展開を期待している。ボクの贈るキモチは気付いては貰えないのだろう。彼女の暖かな手の平に包まれて、ボクの想いは溶けた。



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