26:梨と桃の楽園[saga]
2013/03/28(木) 20:40:10.06 ID:jtkFvPh9o
御坂美琴を目を覚ました時、そこは病室だった。
「やっと目覚ましたか? お姉さま」
「黒子? アンタ大丈夫なの?」
「ええ、まだ少し痛みますが大したことではありませんの」
美琴のそばのベッドの椅子に腰かけているのは白井黒子。
能力は大能力の『空間移動』で、美琴と一方通行が交戦する寸前
一方通行に吹き飛ばされた少女だ。
「先程、初春に調べさせたところ、あの殿方の正体が分かりましたの。
本名は不詳で、通称・一方通行。超能力者の第1位ですわ」
そのことについて、美琴は予想がついていたため大して驚かなかった。
超電磁砲を指先一つ動かさずに防げる人間など、
超能力者でも限られている、と考えていたからだ。
それよりも、本名不詳という情報の方が気になったようだ。
「一方通行? 能力名を名乗っているの?」
「いえ、それは能力ではなく学園都市最高の頭脳の名称だそうですの。
能力名は空間掌握<エアロブラスト>。残念ながら能力の詳細は分かりませんでしたが
書庫を検索した結果、風力使い系の能力だそうですの。
しかし、被害者の証言では電気や炎も使えるらしいですの」
ここまで聞いて美琴はあることを思い出した。
「そういえばあいつ、素粒子を操ってすべての現象を操る能力だとかいってたわ。」
「確かにそれなら証言にも矛盾はありませんのですが……」
白井のはっきりとしない口調に、美琴は違和感を抱いた。
「どうしたの?」
「ええ、初春の報告では、書庫に保存してある一方通行の項目には
能力の内容以外に普通の能力のデータでは多すぎるほどのデータが詰まっていて、
しかも、それらがかなり厳重にロックされているそうですわ。
アクセスできるのは、かなり限られた人間だそうですの」
「そんな機密情報なの?」
「ええ、でもいくつかのキーワードは浮かびましたわ。
『超能力進化計画』 『絶対能力進化計画』 『プロデュース』
これ以上は危険でしたので具体的な内容はわからなかったらしいですの」
「ふーん」
美琴は興味を失ったように返事をした。
白井もそれに気づいたのか話を中断し、他愛のない会話を始めた。
しかし、美琴はいいようのない不安に襲われていた。
絶対能力進化計画という単語に……。
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