888:梨と桃の楽園 ◆TspHqBVqH9jK[saga]
2013/05/29(水) 20:32:13.17 ID:1JA7df8uo
(は……)
結標はようやく安堵を感じることができた。
超能力者にとって、間合いなどという言葉は意味を持たない。
彼らはあらゆる間合いを一瞬で詰める攻撃手段など、
幾らでも持ち合わせてるからだ。
―――距離に関係なくできるだけ、死角に入る事
―――そして、それを安全に確認できること
それが超能力者と対峙し、逃げ延びるために結標が出した答えだ。
そして、そのために彼女は『上』を選んだ。
(くそ。こんな目に遭うだなんて……)
結標は自分自身の転移を躊躇うようになったのは、
2年前のある日の事件からだ。
時間割りで自分自身を鍵のかかった部屋に転移した際に
間違って自分の足を壁に埋まる形で転移してしまったのだ。
痛みを感じなかったのが、今では災いの様に感じられる。
ギザギザとした建材が足の皮膚を削る感触。
そして、皮膚が完全にはがれ、血管と肉が剥き出しに―――
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