過去ログ - モバP「天才発明家・池袋晶葉は揺らがない」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/22(金) 12:27:46.73 ID:2VWMQUCT0

今は何時だ?

結構明るい。そして今は何月何日だ?
時間跳躍をしたときの設定時刻で、腕時計がタイマーとしてしか作用しない。
どこかで時計を見つけて時刻を再設定しなければ。

その前に。晶葉はこの世界のどこにいる?
時間跳躍の表面上の情報しか入っていなかった。
だが、ここが跳躍先であったということには意味があるはず。

もう一度あたりを見回す。今度はある程度遠くまで。
ぎりぎりで見える距離だが、大きな時計がある建物が見える。
その時計を見ながら時間を合わせる。今は朝の8時5分くらいなのか。

ということは、タイムリミットは21時。

そういえば。あった。ボイスレコーダーが。これが絶対に役に立つ。
晶葉はとにかく頭が回る。きっとこの事にも対応してくれているはずだ。
俺の手にフィットする、銀色のスタイリッシュなデザインのボイスレコーダー。

色々なユーザーに配慮されているのか、録音と再生、停止ボタンの3つには
特徴的な点字のようなものが埋め込まれていた。

かちっ、と押すことが癖になりそうな小気味よい音と手触りでボタンが沈む。
「あー、あー。テスト、テスト」と、晶葉の声が再生され始める。

「ああ、過去の私は跳躍先の…ええと、近くに背の高い時計のある建物にいるはずだ」
「日時は6月10日、朝の8時になっている、とりあえずこれで困ることはないだろう」
「いいか、きちんと指定された時刻にはこの河川敷へ戻ってくるように」

かちっ。もう一度小気味よい音と、ほどよい弾力でボタンが浮いてくる。
なるほど、あそこにいるのか。困ったらまた再生すればいい。
また続きがあるようだから。

今は少しの時間も惜しい。俺は正確に時を刻む時計へ向かって歩き出した。
ゆっくりと、ゆっくりと、けれど確実に時計は針を進めていく。

ああ、俺のやろうとしていることは、それを歪曲させることなのに。




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