過去ログ - モバP「天才発明家・池袋晶葉は揺らがない」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/22(金) 12:40:23.95 ID:2VWMQUCT0

わけもわからず飛び出した。行くあてなどあるはずもなかった。
今まで友達との遊び方もわからず、ずっとロボットを作っているだけだったのだから。
両親もずっと帰ってこない。会話と言えば、家政婦と二言三言交わすだけ。

やっと、やっと孤独じゃない。私にも友達が出来た。
彼のような天才の、私の話がわかる人間が、私の助手になったんだ。

そう思っていたのに。

今までは、私の頭脳だけを目当てに大量の企業がすりよってきた。
私のような子供にあごで使われて、それでもへらへらと部品を製造して。
そんな生活に嫌気がさして、富を蓄え、好きなことをしていたというのに。

結局、私は最初から孤独だったんだ。
彼も、形は違えど目的のためには何でもする人間だったということだ。

ああ、いくところ、いくところ。どこにいけばいい?
このあたりの土地勘などほとんどない。
友達と遊びに行くことも、両親に連れて行ってもらうことすらなかったのだから。

知っているのはせいぜい、この建物の周りと、家までの道筋くらいだろうか。
外に出て、時間を確認する。そういえば時間など一切気にせず過ごしていた。

…悔しいが、楽しかったから。

今は何時だろう。ずいぶんと話していた。
もう空の色が変わり始めている。

ああ、もうすぐ、陽が落ちる。ならば。

「………」

「…そういえば、このボイスレコーダーには、何が入っているんだ?」




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