過去ログ - モバP「天才発明家・池袋晶葉は揺らがない」
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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/22(金) 12:41:50.18 ID:2VWMQUCT0

どうなっている。条件はクリアしたはず。
何を間違えた?俺は間違えたのだろうか。
答えを急ぎすぎたのだろうか。17時58分。

未来が変わる。彼女が救われない。彼女を、助けることが出来ない。

まさか。
ボイスレコーダーに、まだ、入っていたのか。
晶葉の、答えと取り戻すためのメッセージが、入っていた?

激しい動悸。めまいがして、息ができなくなる。
間違えた。俺は間違えた。最初に全て聞いておくべきだった。

過呼吸で激しい嘔吐感、のどに溜まったような粘液の香り。
どれもこれもが俺の思考を止めてゆく。

ああ、ああ、まずい。このままでは、このままでは。
彼女の希望が、未来が。何もかもが、失われてしまう。

今まで出会って、彼女が取り組んできたこと、何もかもが、失われてしまう。
たった1つの答えすら、彼女にあげられないと言うのか。

18時02分。確実に秒針は動いて、長針を動かしてゆく。
まわる、まわる、時計が、目の前が、ぐるぐると、どこまでも。

「――――きみは、ばかだな」

「――――さようなら」

彼女の一言一句が走馬灯のように駆け巡る。消えてしまうのか、このまま。
彼女の存在が、彼女の想いが、なにもかも、このまま。これでいいのか?

ダメだ。

そんな事はさせない。決めたじゃないか、俺は。
きっと、彼女を。そう、決めたじゃないか。

誰に責められようとも構わない。彼女を笑顔にすると決めた。
理由はそれだけで十分じゃないか。

世界のルールも、何もかも、知ったことじゃない。
俺は必ず答えを見つけ出す。ゆっくりと立ち上がる。

18時05分。

そっと、けれど、力強く。土を踏みしめる音がした。




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