過去ログ - モバP「天才発明家・池袋晶葉は揺らがない」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]
2013/03/22(金) 12:43:57.38 ID:2VWMQUCT0
ああ、お客様。走ると危険なので、走らないでください。
そんな声も無視して走り続けた。晶葉、晶葉。
閉館間際だというのにまだまだ人がいる。
晶葉にそっくりな子供に声をかけて、怒られた。
人とぶつかって怒られたりもした。
晶葉、晶葉。どこだ。
いない、いない、どこにも居ない。
何度だって見まわった。
何周も展示場を回って、探して、探して。
居ない。
ああ、俺は。俺は、ここまでなのか。
もう、動けない。
酸素が足りない。かろうじて椅子に座る。
そんな時間すら惜しいというのに、反して身体は休息を求めていた。
晶葉。どこにいるんだ。
そう思っても、答えが帰ってくるわけでもなかった。
気づくと、ここは晶葉とお昼にご飯を食べた席だった。
楽しかった。楽しかった。彼女の新しい顔も知った。
どんな顔で笑って、どんな顔で寂しがって。
彼女の過去だって知った。孤独だった、という過去を。
けれど、それすらも俺が壊して。
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