過去ログ - モバP「天才発明家・池袋晶葉は揺らがない」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/22(金) 12:46:26.19 ID:2VWMQUCT0

螺旋のような、大規模な階段。
1段1段、息も切れて、足がなかなか上がらない。けれど、登ってゆく。
天井まではどこまでも高い。空へと届くかのように。

壁づたいに、どこまでも、どこまでも。
足も痛みすぎて感覚がない。爪が剥がれて、ソックスにまで血が滲んでいるかもしれない。

19時12分。半分も登りきれていない。
エレベーターは19時で停止されているらしく、動かない。
たった1人のことで動かせはしないのだろう。

けれど、あの人のおかげで、21時まで猶予がある。
残り2時間もない。けれど、それまでに、彼女を助ける。
そして、元の場所まで戻ってみせる。

こつ、こつ。
俺の靴音だけが響く。
本当に晶葉はこの先にいるのだろうか。

こつ、こつ。
空は近い。空へと続く階段も終わりが近づく。
さっきまであった雲も、どこかへ行ってしまっている。

こつ、こつ。
扉の前まで来た。
どうやら、今日は満月らしい。月明かりが扉の隙間から漏れている。


いくつか輝く星も見える。
今日の星は、きれいだ。
だから、晶葉は望遠鏡を作っていたのか。

さて。

はじめよう、天体観測を。




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