過去ログ - モバP「天才発明家・池袋晶葉は揺らがない」
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[saga sage]
2013/03/22(金) 13:00:49.96 ID:2VWMQUCT0
20時25分。ボイスレコーダーのスイッチを入れる。
全てのメッセージを消去して、俺の声で上書きをする。
もう1度、呟いた。彼女への想いを。
そして、停止ボタンを押して、そっとボイスレコーダーをロックして。
ああ、もう指の感覚がない。間に合った。残った手のひらだけで、彼女に差し出す。
差し出された事に気付いて、慌てて手を延ばす。
その瞬間に俺の腕は消えてしまって、ボイスレコーダーは滑り落ちる。
軽く下を転がる小さな石にぶつかったらしく、外殻が少しだけ破損する。
この程度なら、大丈夫だろう。それを彼女が拾い上げる。
これで、全てが終わった。
ボイスレコーダーのロックの解除方法を彼女は知らない。
それは未来の彼女ですら知ることが出来ない、俺だけのパスワード。
だから、音声が再生されることはなく、エラーを吐き出し続ける。
そして外殻にもいくつか傷がつき、晶葉はこれが原因で破損していると認識する。
未来の晶葉がそうだったように。同じ結果を、違う経過で生み出した。
パズルのピースは埋まるべきところに、全て埋まった。
残りは、完成した絵を見るだけだ。
もう、足の痛みも消えていた。
相変わらず、彼女は俺に何かを伝えようとしてくれている。
けれど、それを知る術はない。もう、かすかにしか光を感じないんだ。
ごめん。
口だけで、そうつぶやく。
この声が届いているかもわからない。
けれど、俺が消えるまで。消え去る、その一瞬まで。
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