109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:03:45.12 ID:7LnCOhGJ0
【6】
秋も深くなったある朝、貴音が自分のロッカーを開けると、見慣れない服があることに気がついた。
自分のものではないし、自分が入れた記憶も無い。
服を手に取り、まじまじと見ながら首を捻っていると、更衣室に誰かが入ってきた。
「あっ、お姫ちん! はろはろー!」
「おはようございます、双海亜美」
「お姫ちん、何してんの? ―――あーっ!!」
突然、亜美は貴音の手から強引に服を奪い取ると、猛ダッシュで更衣室を後にしようとした。
その時、ちょうど真美が部屋の中に入ろうとしたため、二人はお互いに頭を思い切りぶつけてしまった。
「普段は息の合った行動を見せる貴女方でも、そのような事があるのですね」
その場にうずくまり、両手で頭を押さえている二人をまじまじと見ながら、貴音は感心するように言った。
「うぅぅ―――ちょっとくらい心配そうにしてくれたっていいじゃん」
「まったくだYO。それにしてもキイタぜ亜美、いちち」
「申し訳ありません」
ポカンとした顔をしながら、貴音は謝った。
「いや、どっちかって言うと悪いのは亜美なんだけどさ」
ようやく立ち上がり、頬を指で掻きながら、バツの悪そうに亜美は言った。
「亜美、何でその服持ってんの? ―――ひょっとして、ミキミキのロッカー――」
「うん、やっちった」
事態を把握したのか、真美は「うあうあー」と言いながら再び両手で頭を抱えた。
貴音は、何のことだかサッパリ分からず、首を傾げている。
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