126:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 01:39:05.26 ID:7LnCOhGJ0
「もうたくさんだ!!」
真は怒鳴った。
「今分かったよ、アイドルなんてどうせ美希みたいな子にできるようなことじゃないって!
こんな子のために、雪歩はどれだけ――!!」
「真ちゃん」
ふと、擦れる声が真の怒号を遮った。
真と美希は、雪歩の方を振り向いた。
「いいの、美希ちゃんを責めないで。
私が、勝手に頑張ってただけだから―――お願いですぅ」
雪歩は、うなだれたままさらに頭を下げた。
真は、それ以上何も言えなくなり、片手を腰に当てて大きく息を吐いた。
「美希ちゃん―――来てくれて、ありがとう」
そのままの姿勢で、雪歩はポツリと美希に声をかけた。
顔を上げる事ができないでいる雪歩を見て、美希は少し胸が痛くなった。
これ以上、この場の空気に身を置くのは耐えられない。
美希は、プロデューサーと真に手を振って会場を去っていった。
雪歩は、まだ頭を下げたままだった。
膝の上に置いた手の甲の上に、涙がいくつも落ちていた。
「―――帰りましょう、プロデューサー」
気分を切り替えるように、真がプロデューサーに声をかけた。
「――プロデューサー?」
プロデューサーは、頭を押さえていた。
「あぁ、悪い、大丈夫だ」
「風邪ですか? 頭が痛そうですけど」
「ちょっと前、ドアに頭をぶつけてさ。それかなぁ」
プロデューサーはそう言って笑いながら、雪歩の肩を優しく叩いた。
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